夏の夜の眠りに、ラベンダーの一滴を
熱帯夜がはじまる季節。ラベンダーの香りと眠りについては、いくつもの臨床研究で穏やかな変化が報告されています。今夜からできる、いちばん小さな夏支度。
七月に入り、夜になっても空気が熱を手放さない季節がはじまりました。寝つくまでに時間がかかる、夜中にふと目が覚める──この時期、お客さまとお話ししていても、眠りの浅さについての声がいちばん増えます。
そんな夜の味方として、私たちがいちばん信頼を置いているのがラベンダーです。成人を対象とした複数の臨床試験をまとめた近年の研究では、ラベンダー精油の香りを取り入れた人たちの眠りの質に、穏やかな改善が見られたと報告されています(研究の数はまだ限られており、検証は続けられています)。年配の方を対象に複数の研究をまとめた別の報告でも、いくつかの香りのなかでラベンダーをひとつだけ用いたときに、比較的よい変化が見られたと報告されています。
取り入れかたは、驚くほど簡単です。眠る30分ほど前に、アロマストーンへラベンダーを1滴。置き場所は枕元の、エアコンの風が直接あたらないところへ。火や電気を使わないストーンは、眠る前にも取り入れやすい方法です。灯りをひとつ落として、香りを3回、ゆっくり呼吸で迎え入れたら、夏の夜の支度はおしまいです。
穏やかな香りとして知られるラベンダーですが、いくつか心に留めていただきたいこともあります。妊娠中の方は、今回のように香りを空間で楽しむ方法以外は十分に注意し、お使いになる前にかかりつけの医師や専門家にご相談ください。授乳中の方も、担当の医師にご確認いただくと安心です。肌につける使い方をされる場合は、必ずキャリアオイルで希釈を。持病をお持ちの方やお薬を服用中の方も、念のため専門家に確かめていただくと安心です。
私自身、工房で一日じゅう花と香りに向き合ったあとは、頭の中がなかなか静かになりません。それでも枕元のラベンダーがほどけはじめると、今日と明日のあいだに、そっと栞が挟まれるような気がします。眠りは、明日の心の余白を注ぐための器。今夜のあなたの器が、静かに満ちますように。
よろしければ、こちらの一篇も。——夏はシャワーだけで済ませる夜に、湯船を選び直すという工夫
2026年7月、出典表記と安全情報を見直しました。
安全にお楽しみいただくために
- 精油の原液を直接肌にのせず、肌に使う場合は必ずキャリアオイルで希釈してからお使いください。希釈した精油であっても、飲用は勧められていません
- 妊娠中の方は、香りを空間で楽しむ方法以外は十分にご注意ください。授乳中の方は、お使いになる前に担当の医師にご相談ください
- 3歳未満のお子さまには、ほのかな芳香浴以外は行わないでください。精油の瓶は、お子さまの手の届かない場所で保管をお願いします
- ペットのいる空間——特に寝室でお使いの場合は、香りの濃度と換気にご配慮ください。心配なときは獣医師にご相談ください
- 持病をお持ちの方やお薬を服用中の方は、念のため専門家にお確かめください
- 植物由来の素材でも、体質に合わない場合があります。異変を感じたらすぐに使用を中止してください
- 香りが負担に感じられる夜は、使わないことも大切な選択です
- 精油は直射日光を避け、冷暗所で保管してください
- 本記事は一般的な情報のご紹介であり、医療行為・診断・治療に代わるものではありません。
- ご使用中に肌や体調の異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、医師にご相談ください。
References
参考文献・出典
- The Sleep-Enhancing Effect of Lavender Essential Oil in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis(Holistic Nursing Practice、2026)
- Effects of aromatherapy on sleep quality in older adults: A meta-analysis(Medicine (Baltimore)、2024)
- 安全に楽しむために(公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)、参照日: 2026-07-23)
- アロマテラピーに関するQ&A(公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)、参照日: 2026-07-23)
Author
Tomoyo Michishita
Maison Élanique Inc. 代表。愛に美しいかたちを与えるメゾンとして、 花と香りの傍らで綴っています。