Céléjour
セルフケア

夏の午後に集中力が続かない日は、ローズマリーの香りを一滴

冷房の効いた部屋で書類に向かっているのに、頭の芯だけがぼんやりと霞んでいく。そんな午後を、この季節はよく耳にします。集中力が続かないのは怠けているからではなく、暑さと湿度がもたらす、ごく自然な傾きなのかもしれません。私たちは、そんな午後の切り替えに、香りを一滴添えるという小さな習慣をお伝えしたいと思います。

ローズマリーの香りと、記憶・覚醒のはたらき

イギリスの心理学者マーク・モス氏らの研究チームは、ローズマリーとラベンダーの香りが認知機能と気分に与える影響を比較する実験を行いました。その結果、ローズマリーの香りに触れた被験者は、記憶課題の得点が高まり、実験後の覚醒度も他の条件より高かったと報告されています。速度の面では相反する結果も見られたものの、香りが記憶と目覚めの感覚に静かに働きかけることは、複数の研究で示唆されているところです。

会議の前、書類仕事の合間、あるいは午後三時の眠気がやってくる少し前。ハンカチに精油を一滴落として香りを吸い込む、あるいはディフューザーを机の端に置く。それだけで、頭のなかの霧が少し晴れていく感覚を得られるかもしれません。難しいことは何もいりません。深呼吸をひとつ、香りをひとつ、それだけの儀式です。

香りは、私たちが日々を整えるためにそっと差し出せる、いちばん小さな道具のひとつです。効率を追い立てる代わりに、一度立ち止まって呼吸を整える。その静けさのなかにこそ、午後の後半をやわらかく歩くための力が宿っているように思います。今日のどこかに、静かな祝福が咲いていますように。

参考:Moss M, Cook J, Wesnes K, Duckett P.(2003)"Aromas of rosemary and lavender essential oils differentially affect cognition and mood in healthy adults" International Journal of Neuroscience, 113(1), 15-38.