Céléjour
香りのこと2

夏の直射日光と高温から香水を美しく守る、保管の小さな作法

香水は紫外線と高温、湿度の変化に弱く、直射日光の当たる場所や車内での保管は香りを損なう原因になります。冷暗所での保管と、遮光ケースを選ぶという、メゾンが大切にしている小さな作法をご紹介します。

夏の陽射しが差し込む窓辺に、香水の瓶をそのまま置いていないでしょうか。香水は紫外線と高温、そして湿度の変化にとても敏感で、直射日光の当たる場所に置かれた瓶の中では、香りの分子が少しずつ姿を変えていきます。とくに気温が上がるこの季節は、保管の仕方ひとつで、香りの寿命が大きく変わります。

高温と紫外線が、香りに起こすこと

香水が劣化すると、まず失われるのはトップノートの瑞々しさだと言われています。柑橘や緑の香りがふっと軽くなり、液体の色がわずかに濃く変わっていたら、それは紫外線と熱にさらされたサインかもしれません。一度変化してしまった香りは、もとには戻りません。

洗面台や窓辺、車の中は、実は香水にとってもっとも厳しい場所です。温度と湿度の変化が激しいうえ、光も遮られていないからです。できることなら、購入時の化粧箱に戻し、光の入らない引き出しやクローゼットの中、温度が一定に保たれる場所で休ませてあげてください。それだけで、開封してからの日々がずいぶん穏やかなものになります。

香水を美しく保つという行為は、香りそのものを大切にすることであり、その香りを選んだ日の自分を大切にすることでもあります。三分もあれば、いま置いている場所を見直し、光の入らない場所に移すことができます。ほんの小さな手間が、瓶の中の時間を守ってくれます。

私たちは、香りもまた花と同じように、時とともに移ろう生きたものだと考えています。だからこそ、選ぶ瞬間だけでなく、日々の置き場所にも、少しの心を配っていただけたらと願っています。

Questions

香水はどこに保管するのが正しいですか?
直射日光や高温多湿を避け、購入時の箱に入れて冷暗所で保管すると、香りの変化を穏やかにすることができます。
冷蔵庫で保管してもいいですか?
温度差による結露が瓶の中に入り込むおそれがあるため、冷蔵庫よりも、温度が安定した戸棚や引き出しでの保管をおすすめしています。

Author

Tomoyo Michishita

Maison Élanique Inc. 代表。愛に美しいかたちを与えるメゾンとして、 花と香りの傍らで綴っています。