Céléjour
暮らしのこと2

梅雨で気分が沈みがちな日は、花を一輪飾るという小さな習慣

梅雨で気分が沈みがちなこの季節。花束を受け取った成人女性と、オフィスを模した環境でアジサイを眺めた人の気分を調べた研究があります。枯れない花を対象に同じ結果が確かめられたわけではありません。花とともにある、小さな気分転換をご提案します。

梅雨で気分が沈みがちな日が続きます。空はどんよりと灰色で、洗濯物は乾かず、なんとなく心が晴れない――そんな朝に、私たちがおすすめしたいのは、特別なことではなく、花を一輪、卓上に飾ることです。ここからは、花にまつわる二つの研究と、Céléjourを始めるきっかけとなった経験を、分けてご紹介します。

花を見ると、人は「幸福の表情」になる

ハヴィランド=ジョーンズ氏らは、成人女性に花束、フルーツバスケット、ろうそくのいずれかを届け、その反応を観察しました。花束を受け取った人全員に、頬と目もとまで動く笑み――「デュシェンヌ・スマイル」が見られました。後日の聞き取りでは、花束を受け取った群でのみ、肯定的な感情の増加が報告されています。

オフィスを模した環境で行われた別の研究では、金融関係の職場で働く人たちが、青と紫のアジサイを3分間眺めました。花を眺めたときには、α波の割合が増え、副交感神経活動を示す指標が高まり、気分の状態も良い方へ変わったと報告されています。ただし、一方は花束、フルーツバスケット、ろうそくを届ける条件を比較し、もう一方はオフィスを模した環境で青と紫のアジサイを眺める条件で行われた研究です。枯れない花を対象に同じ結果が確かめられているわけではありません。梅雨のように光量が減り、気分が沈みやすい季節にこそ、視界の中に花があるという状態そのものが、静かな支えになるのかもしれません。

私自身、創業前は忙しさにかまけて、生花を買っても水を替えられずに枯らしてしまうことが何度もありました。それでも、玄関やデスクにふと目をやったときに花があると、確かに気持ちがやわらぐ瞬間があって――その感覚を、手間なく、枯らす罪悪感もなく続けられないだろうかと考えたことが、Céléjourをはじめる小さなきっかけのひとつでした。

今日、3分だけ時間を見つけて、玄関やデスクに花を一輪置いてみてください。それは特別な自己投資でも、贅沢でもなく、ただ視界の片隅に添えておくだけの、ささやかな工夫です。香りと花のある風景が、忙しい日々の中に小さな心の余白と、静かに積み重なる記憶をとどめてくれることを、私たちは信じています。

References

参考文献・出典

  1. An Environmental Approach to Positive Emotion: Flowers(Evolutionary Psychology 3(1)、2005
  2. Effects of viewing flowering plants on employees' wellbeing in an office-like environment(Indoor and Built Environment 30(9)、2020

Author

Tomoyo Michishita

Maison Élanique Inc. 代表。愛に美しいかたちを与えるメゾンとして、 花と香りの傍らで綴っています。