Céléjour
暮らしのこと

梅雨で気分が沈みがちな日は、花を一輪飾るという小さな処方箋

梅雨で気分が沈みがちな日が続きます。空はどんよりと灰色で、洗濯物は乾かず、なんとなく心が晴れない――そんな朝に、私たちがまずおすすめしたいのは、特別なことではなく、花を一輪、卓上に飾ることです。実はこれ、気分の慰めというだけでなく、いくつかの心理学研究が裏づけている、とても小さな習慣なのです。

花を見ると、人は「幸福の表情」になる

ラトガース大学のジャネット・ハヴィランド=ジョーンズ教授らの研究チームは、参加者にろうそく、フルーツバスケット、花束のいずれかを贈り、その反応を観察する実験を行いました。花を受け取った人だけが、頬と目もとまで動く本物の笑み――いわゆる「デュシェンヌ・スマイル」を見せ、抑うつや不安、苛立ちの度合いが下がったと報告されています。しかも、その心地よさは数日にわたって持続していたそうです。

オフィス環境を対象にした別の研究でも、花を眺めた人はリラックスや心地よさを示す脳波が増え、気分の改善が確認されています。梅雨のように光量が減り、気分が沈みやすい季節にこそ、視界の中に花があるという状態そのものが、静かな支えになるのかもしれません。

私自身、創業前は忙しさにかまけて、生花を買っても水を替えられずに枯らしてしまうことが何度もありました。それでも、玄関やデスクにふと目をやったときに花があると、確かに気持ちがやわらぐ瞬間があって――その感覚を、手間なく、枯らす罪悪感もなく続けられないだろうかと考えたことが、Céléjourをはじめる小さなきっかけのひとつでした。

今日、3分だけ時間を見つけて、玄関やデスクに花を一輪置いてみてください。それは特別な自己投資でも、贅沢でもなく、ただ視界の片隅に置いておくだけの、ささやかな処方箋です。香りと花のある風景が、忙しい日々の中に小さな心の余白と、静かに積み重なる記憶をとどめてくれることを、私たちは信じています。

参考:Haviland-Jones, J., Rosario, H. H., Wilson, P., & McGuire, T. R.(2005)「An Environmental Approach to Positive Emotion: Flowers」Evolutionary Psychology, 3(1)/Elsadek, M., & Liu, B.(2021)「Effects of viewing flowering plants on employees' wellbeing in an office-like environment」Indoor and Built Environment